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C8の当たりはずれ(その3)はずれC8を徹底調整する [シュミカセ]

オレンジ色のC8(はずれのC8)は、30年前、社会人になった記念に購入したもので、焦点内外像で光軸を合わせようとしても、焦点に収束させていくにつれて焦点内外像の同心円の片側がけば立ち、高倍率で見ると焦点像にコマがあるように見える鏡筒です。以前、天頂近くの恒星を辛抱強く観察し続けて、焦点像が最小となるように調整したところ、かなりの良像を示す潜在力はあることが分かったけれども、それは面倒なので、また使わなくなったという歴史があります。
この鏡筒の調整に必要な良いシーイングの夜はそうたびたび来るわけではないし、手間を考えると、焦点内外像が完全な同心円になって調整が容易なC8EXばかりを使うのは当然の帰結でした。
さて、5-star人工星の使用感が良いので、これを使って、はずれのC8を調整してみることにしました。距離は15mで、使用したのは、一番暗い人工星です。
まず、焦点内外像です。同心円のドーナツは、片側がけば立つように収束してゆくのは実際の星像と同じです。なかなかうまく写せませんが…(´_`)。
_DSC0532_R.JPG
さらにピントを合わせ、焦点像を400倍で見てみると、コマがあるように見えますが、これを細かく観察すると、ジフラクションリングをともなうエアリーディスクが認められ、周囲に散乱した光が一方に偏っていることがわかりました。そこで、この散乱した周囲の光芒がエアリーディスクの周囲に均等に分布するように副鏡を微調整すると、エアリーディスク、ジフラクションリング、その周囲の光芒という星像を示すようになりました。この調整はかなり微妙で、調節ねじの回転は30°もないくらいだと思いますが、実際の像を見ながらなので、それほどの困難はありません。この状態に調整してから焦点内外像を見てみると、焦点内外像は中心穴がやや偏ったドーナツでした。やはり主鏡がわずかに傾いているという推測が裏付けられました。
_DSC0541_R.JPG
はずれC8の星像を、あたりの十分に調整したC8EXと比較してみると、はずれC8は、若干エアリーディスクに変形があるように思いますが、かなり近似した星像です。実際の夜空では、ここまで見られる気流の安定した日はなかなかないので、実際の恒星でこのレベルの調整は困難だと思います。30年所有していても到達できなかった調整を可能にしてくれたこの人工星は、やはり使えるやつでした。補正板回転も試してみましたが、オリジナルの位置がベストで、この鏡筒では有用ではありませんでした。作業時間は、徹底調整といっている割には短時間で、セッティング時間も含めて30分程度でした。
以上のことから以下の結論に至りました。
結論1)焦点内外像の同心円では十分に光軸を合わせられないC8が存在する。
結論2)そのような鏡筒でも、焦点像を高倍率で観察することで十分に光軸を追い込める。
結論3)実際の夜空で十分に良いシーイング下の恒星像を得ることは困難なので、人工星は有用である。