So-net無料ブログ作成
検索選択

C8の当たりはずれ(その4)調整したはずれC8実際の見え方 [シュミカセ]

はずれC8で、エアリーディスクのまわりを第1干渉環が均等に取り巻くように、人工星の星像を調整することが、わりと簡単にできるようになりました(慣れたのと、一度合わせてしまえば、ぶつけない限り微調整で済みますから)。人工星による光軸調整で懸念されるのは、ほとんど水平の向きで光軸を調整するため、鏡筒の向きによって光軸にずれが生じるのではないかということと、15mという近い合焦位置から実際に使用する無限遠までミラーを大きく動かすことで光軸がずれないかということです。天頂部の恒星を観察すると、このC8の場合、これらに起因する光軸ずれはほとんどないようです。ピント合わせの際に収束してゆく同心円に偏りがある(片側がけば立つ)のは気にいらないところですが、ピントが合った時のエアリーディスクは小さく、そのまわりのジフラクションリングも、気流に千々に乱されながらも、ほぼ均等に分布しています。実際の揺れ動く恒星の焦点像でここまで副鏡の調整をするのは、かなり困難だと思います。
また補正板の回転も試してみましたが、人工星の星像を見る限り、最初からの位置がベストなようで、この鏡筒では有効ではありませんでした。
このように調整した、はずれC8の実際の見え方ですが、かなりシャープになった印象です。安定して性能を維持できる見込みになったので、達成感がうれしくて、最近のベランダ観望は、このC8と相性の良いEM-1赤道儀の組み合わせばかり使っています。
DSCN4298_R.JPG
DSCN4297_R.JPG
今シーズンの木星面も、一瞬の好シーイングの時にはかなり詳細に観察できます。コントラストは今一つで、バックグラウンドもやや明るいですが、よく見ると細かいところまで解像しています。今年は、大赤斑が縮小し、色もオレンジ色で、コントラストが悪いC8では見にくいのですが、気流が落ち着いた一瞬には、SEBの切れ込みのなかにその姿を見ることができました。
同焦点化したアイピース群の使い勝手も良好です。雑多な出自なので、それぞれ形が違いますが、暗いところでも見分けやすいという面もあります。ピントノブを少ししか回さなくて済むので、ミラーシフトもわずかです。
シュミカセ(F10)だと、PL6.4mmとPL10mmの使用頻度が高くなります。これよりも短い焦点距離が使える日には、なかなかめぐりあえません。

アイピースを同焦点化する [接眼鏡 アイピース]

はずれC8は、ピント合わせの際のミラーシフトが大きく(こういうところもはずれなわけですが)、400倍の視野から対象が飛び出してしまうほどです。対策としては、ミラーシフトを軽減するべく本体に手を加えるか、接眼部を外付けするか、ピント合わせをしないで済むようにするかのどれかだと思います。
ほかの鏡筒で使用することもあるので、焦点位置が異なる雑多な出自のベランダ用アイピース群の使い勝手改善のためにも、手軽にできそうなアイピースの同焦点化を考えました。焦点位置調節リングも発売されていますが、少々高価なので、当方のベランダ用ラインアップには豪華すぎる気がします。そこで使えそうなものはないかと探してみたところ、ありました。内径32mmのキーリングです。ヨドバシ.comで一個80円、注文翌日には到着しました。
これをアイピースのバレルにあてがってみたところかなりフィットします。実際に昼間の遠景をのぞきながら、リング位置を調整します。若干の誤差を埋めるためにアルミテープを巻き(だいたい一巻きで済みました)、さらにアルミテープとリングの間に瞬間接着剤を流し込んで固定しました。アイピース本体に接着剤がつかないように注意すれば、アイピース本体は無加工で済みますので、原状復帰も簡単です。
DSCN4294_R.JPG
焦点位置の違いがリングの厚み以下のものもありますが、この場合はアルミテープよりも強度のある、ステンレステープを細く切ってピントを確認しながらアイピースのバレルに巻き付け焦点位置の調整をしました。こうすることで大きなピント合わせをしなくて済むようになり、ミラーシフトがあまり気にならなくなりました。
DSCN4295_R.JPG
同様に、24.5㎜のラインアップ用にも内径25㎜のキーリングを使って同焦点化を試みましたが出来上がりは満足のゆくものでした。500円以内の投資と数十分間の作業ですが、アイピースの使い勝手が大きく改善しました。
DSCN4293_R.JPG

C8の当たりはずれ(その3)はずれC8を徹底調整する [シュミカセ]

オレンジ色のC8(はずれのC8)は、30年前、社会人になった記念に購入したもので、焦点内外像で光軸を合わせようとしても、焦点に収束させていくにつれて焦点内外像の同心円の片側がけば立ち、高倍率で見ると焦点像にコマがあるように見える鏡筒です。以前、天頂近くの恒星を辛抱強く観察し続けて、焦点像が最小となるように調整したところ、かなりの良像を示す潜在力はあることが分かったけれども、それは面倒なので、また使わなくなったという歴史があります。
この鏡筒の調整に必要な良いシーイングの夜はそうたびたび来るわけではないし、手間を考えると、焦点内外像が完全な同心円になって調整が容易なC8EXばかりを使うのは当然の帰結でした。
さて、5-star人工星の使用感が良いので、これを使って、はずれのC8を調整してみることにしました。距離は15mで、使用したのは、一番暗い人工星です。
まず、焦点内外像です。同心円のドーナツは、片側がけば立つように収束してゆくのは実際の星像と同じです。なかなかうまく写せませんが…(´_`)。
_DSC0532_R.JPG
さらにピントを合わせ、焦点像を400倍で見てみると、コマがあるように見えますが、これを細かく観察すると、ジフラクションリングをともなうエアリーディスクが認められ、周囲に散乱した光が一方に偏っていることがわかりました。そこで、この散乱した周囲の光芒がエアリーディスクの周囲に均等に分布するように副鏡を微調整すると、エアリーディスク、ジフラクションリング、その周囲の光芒という星像を示すようになりました。この調整はかなり微妙で、調節ねじの回転は30°もないくらいだと思いますが、実際の像を見ながらなので、それほどの困難はありません。この状態に調整してから焦点内外像を見てみると、焦点内外像は中心穴がやや偏ったドーナツでした。やはり主鏡がわずかに傾いているという推測が裏付けられました。
_DSC0541_R.JPG
はずれC8の星像を、あたりの十分に調整したC8EXと比較してみると、はずれC8は、若干エアリーディスクに変形があるように思いますが、かなり近似した星像です。実際の夜空では、ここまで見られる気流の安定した日はなかなかないので、実際の恒星でこのレベルの調整は困難だと思います。30年所有していても到達できなかった調整を可能にしてくれたこの人工星は、やはり使えるやつでした。補正板回転も試してみましたが、オリジナルの位置がベストで、この鏡筒では有用ではありませんでした。作業時間は、徹底調整といっている割には短時間で、セッティング時間も含めて30分程度でした。
以上のことから以下の結論に至りました。
結論1)焦点内外像の同心円では十分に光軸を合わせられないC8が存在する。
結論2)そのような鏡筒でも、焦点像を高倍率で観察することで十分に光軸を追い込める。
結論3)実際の夜空で十分に良いシーイング下の恒星像を得ることは困難なので、人工星は有用である。

Hubble Optics 5-star 人工星を使ってみる [天体望遠鏡]

Kenko 125cの光軸調整で使えるやつであることが分かったHubble Optics 5 star 人工星について調べてみました。
DSCN4270_R.JPG
Hubble Opticsのホームページに解説があり、いくつかのレビューも紹介されています。その内容の一部を紹介します。
まず、望遠鏡と人工星の距離をどれだけとればよいかですが、望遠鏡の焦点距離(F)のM倍とされています。
ここでMは336×D(望遠鏡の口径;インチ)÷F(望遠鏡の口径比)の3乗で規定されます。
336は過去の文献で導き出された定数のようです。
10インチF5の望遠鏡なら、M=336×10/5×5×5=26.88となり人口星までの距離は、
26.88×10×5=1344(インチ)、約34mとなります。しかしこれはニュートン式反射望遠鏡の場合で、シュミカセでは事情が異なるようです。
シュミカセの8インチF10なら、Mは336×8/10×10×10=2.68であり
人工星までの距離は、2.68×8×10=215(インチ)になりますが、これは正しくないそうで、シュミカセの場合定数Mは、できれば24、最低20は必要だろうと文献的に指摘されているそうです。
つまりシュミカセでは、20×8×10=1920(インチ)、約48mが必要とされていますが、
これは完璧な点光源を与えるための理想的な距離であり、現実的にはこの70%、もっと現実的には、望遠鏡のピントが合う距離で光軸調整可能だろうと書かれていました。
実際、C8は15mで十分光軸調整可能でした。ミューロン180も15mで光軸調整可能でした。ただし、バックフォーカスの長いシュミカセは大丈夫ですが、ミューロンの場合は、写真のような長大な延長管(これでやっとピントが出ました)が必要でした。使用した延長チューブは計10個でした。
DSCN4275_R.JPG
DSCN4281_R.JPG
どの人工星を使えばよいかは、視認できる一番暗い光源を使うことが勧められています。
ピンホールの大きさは、あくまでも理論的には、M×エアリーディスクより小さくなければならないそうです。ここでMは上で求めた定数であり、M×1.22×λ×Fが与えられた式になりますが、シュミカセC8の場合は、24×1.22×555nm×10=162504nm(ナノメーター;光の波長555nmで計算)すなわち162504×0.000001㎜=0.1625㎜(162.5μm)だそうです。この人工星の最小ピンホールは50μmで、十分な小ささを確保しています。自作する場合には、ピンホールの形と大きさを顕微鏡的に測定する必要がありそうです。
人口星ライトは、ジプロックの袋に入れて保管し(水分でさびるのを防ぐため)、また要らない星を遮光するマグネット片は、つけっぱなしにすると微小な磁性物質が放出され、ピンホールを損なう可能性があるので、使用時のみくっつけるようにとのことでした。
使用の実際ですが、望遠鏡は、光軸を変更するたびに視野内の人工星が移動するので、微動付きの架台に搭載しないと、とても不便です。
この人工星を使ってみると、光軸がわずかにずれていることはわかっていたけれども、それを修正できるシーイングのよい日がなかなか来ないため、ずっと不十分な状態でで使用していたミューロン180の光軸を十分に追い込めたし、十分に合わせたつもりだったC8 EXの光軸をさらに追い込むことができました。
これより大きな口径の望遠鏡は、架台の準備、人工星までの距離の確保など、屋内での作業が難しくなるのでセッティングに工夫がいると思います。