So-net無料ブログ作成
検索選択

FED-1のシャッター幕交換 [カメラ修理]

長らく机の上のぺーパーウェイトになっていた、シャッターリボンの切れたFED-1の修理を行うことにしました。
DSCN3413_R.JPG
フォーカルプレーンシャッターの構造を理解するには、いちばんプリミティブで、格好の教材のはずです。
分解は簡単で、すぐにリボンが切れ、ゴム引き幕が劣化して黒い粉を多量に撒き散らすシャッターユニットを露出することができました。
DSCN3352_R.JPG
DSCN3354_R.JPG
ここまでは順調です。あとは、とりだしたシャッター幕とリボンを同じ寸法で作成し、置き換えればよいはずでした。シャッター幕とリボンは、Aki-asahiさんから購入しました。シャッター幕ユニット作成の手引もあり、先幕、後幕は簡単に作ることができます。シャッター幕の竿は、オリジナルを再生しました。
ところが、幕の位置が決められないのです。後幕のドラムに、オリジナルと同じ寸法の幕を貼って、巻き取りリボンをケガいた位置に張り付ければ再現できるはずでした。しかし、ギアの位置関係が微妙にくるってしまい、幕の位置がずれてしまいました。
DSCN3365_R.JPG
どこが基準なのかもわからず、かなり長い期間、施行錯誤を重ねた結果、以下のような結論に達しました。
1. 後幕は、巻き取りドラム(太いほうのドラムです)の、上下、および中央部が、シャッターリリース直後の位相(軍艦部方向から見て時計回りに回りきった状態、:これは巻き上げ直前の位相と同じで、上中下ドラムが空回りせず一緒に巻き上げられる状態です)において、フィルムフレームを完全に覆う位置に達していること。
2. 後幕は、1の条件を満たし、かつ、巻き上げた際に、かかり止めのツメが、写真のようにかかり止めレバーのくぼみに位置していることを満たす位置に張り付けられなければならない。
DSCN3383_R.JPG
3. 後幕は、条件1,2を満たす以前に、ドラムに前もって一周まきついていること。
4. 先幕は、条件1の時に、後幕のスリット金具と3-4mmの重なりがあること。これが少なすぎると、巻き上げ時にスリットがひらいてしまい、フィルムが感光してしまう。
この重なり幅は、巻き上げとともに増えるので、条件1の時にスリットから光が漏れなければ大丈夫。
5. 条件4のときに、先幕のリボンは、メインドラムの上下のドラムに、一周まきついている状態で、接着されなければならない。
6. 先幕の巻き取り軸および後幕のリボンの巻き取り軸への接着は、平行が保たれていればどの位置でもよい。
7. 組み込みの際には、シャッターリリース時、もしくは巻き上げ終了時の位相で組み込むが、この時、シャッタードラムを駆動するギアの位置が、それぞれの位相に正確に位置していなければならない。この位置は、シャッター幕を取り去ったシャッターユニットで、十分に観察して記録されねばなりません。
これらの条件を満たすことが、フォーカルプレーンシャッターの幕交換に必要なノウハウということになります。
また、初心者には、幕やリボンを緩ませることなく組みあげるのも、かなり難易度の高い作業です。
WEB上に報告されている、達人たちは、これらの条件を軽々とクリアしている人々と思われます。幾度か試行錯誤しているうちに、組み込みにも慣れ、時間もかからなくはなりましたが、慣れるまでは、かなり困難な作業でした。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

endo

私もFed5bで経験しました。比較的新しい機種なので、シャッター幕の劣化が原因ではなく、リボン切れでした。通販で材料を買って、シャッター幕は自作しました。1/500で、正常に撮影できたときは嬉しかったのを覚えています。先幕と後幕の竿を垂直になるように幕やリボンを貼るのが難しいですね。ゼニットやゾルキーの幕を張り替える時期がいずれ来る(それまで生きていれば)と思うと、今から身がひきしまりますね。かつて愛用したOM-1やOM-2のシャッター幕劣化がそろそろ始まっていると聞くと、諸行無常の感がぬぐえないですね。
by endo (2015-07-14 23:14) 

udo20

endo様、コメントありがとうございます。少々遠出をして、PCの前を離れていたので、レスポンスが遅くなって申し訳ありません。自分の張り替えたシャッター幕は、ひと世代くらいは持つかなと思っています。
ライカⅢcのシャッター幕交換にも挑戦したのですが、本体のやれがあるようで、高速で幕が開きません。なかなかうまくゆきませんが、それを楽しめるような心持がこの趣味には良いようですね。
by udo20 (2015-09-24 00:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL: