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ペンタックス オート110のレンズを清掃する [カメラ修理]

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フィルムが絶滅してしまったため、カメラ本体はオブジェとなってしまいましたが、自作フォーサーズ オート110アダプタのおかげで、レンズは現役です。とくに、小型の24mmF2.8と画角的に使いやすい18mm F2.8が活躍しています。最近、さらに両方とも一本ずつ増員されたのですが、カビ、クモリがあるジャンクのため分解して清掃することにしました。
2本とも構造は同様です。
分解の手順ですが、ピントリングにあるイモネジ3本を外します。するとピントリングが抜け、レンズ本体が露出します。
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レンズユニットをヘリコイドねじから外します。このとき、ヘリコイドねじの分離した位置関係がわかるように目印をつけておきます。こうすることで、再組み立てが容易になります。
レンズ本体から、前ユニットと後ろユニットを分離します。ねじに固定の接着剤が使われているので、結構力が要ります。
このように3つに分解できますが、何らかの溶剤で接着剤を柔らかくするとよいと思います。
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カビとくもりは3ユニットの6面のうち、前方から4,面、5面に発生していました。
清掃して組み立て、最後にピントリングを調整固定します。この時オート110本体のフォーカシングスクリーンで十分にピント確認ができました。
実際の撮影では、約F5.6に絞ると(実絞り優先撮影、露出時間から推測)画像最周辺部の画質が改善します。小さくてもきちんと作ってあるカメラでした。
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ローライフレックスをレストアする [カメラ修理]

Yオクでご覧のようなローライフレックス オートマットMXジャンク品をゲットしました。歴史的名機も外観が汚いので、9.5Kでした。
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さて届いたカメラを見てみると、テイクレンズはまだらになったUVフィルターに守られていたおかげで、比較的良好な状態です。目についた不具合は、シャッター速度ダイアルが空回りしてしまい、シャッター速度変更ができなくなっている点でした。
とりあえず前板を外します。前板の裏側には、シャッター速度と絞りを操作するメカがあります。
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シャッター速度ダイアルのギアとシャッターユニットのシャッター速度カムを動かすギアの連動が外れています。
ギアの高さが微妙に狂っており、かみ合わせが悪くて外れてしまう状態でした。あちこちをよく見てみると、前板が一部陥没しており、そのせいでギアのあたり面が不ぞろいになっていることに気づきました。正面から強い力が加わったものと思われます。そこで、裏側のギアを分解しました。
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矢印のギアのかみ合わせが悪く、空回りしてしまいます。
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裏面からじっくりと外力を加え、陥没している部分を整復し、かみ合わせができるようになりました。
変更できるようになったシャッター速度は、1と1/2がやや長いものの、全体に良好でした。
ぼろぼろの外観は、本革の貼り革が劣化し、革表面の塗装面がはがれ皮そのものの色が出てしまったためでした。フェイクレザーを貼ることにしましたが、型紙を作るベースには、カメラそのものをコピーしてみました。カメラが平面で形成されているため、結構うまくいきました。
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テイクレンズ前群を取り外して清掃し、後玉も前後から清掃してレストアを終了しました。

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五藤光学 8cm F15屈折のレストア [天体望遠鏡]

五藤光学の8cm F15屈折ジャンク品をYオクでゲットしました。ファインダーレンズがひどく汚れていましたが、さび、へこみなさそうで、主鏡はわりときれいそうなので、ついポチしてしまいました。22Kでした。
ひどい雨降りの日、格納用木箱入りの望遠鏡が届きました。
届いた望遠鏡を見てみると、ありがたいことに、大事な主鏡は、蓋に守られていたおかげで、第一面に点状のカビが2,3個あるだけでクリアでした。早速、ブロアで清掃後、アルコールでカビを除去しました。
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ひどく汚れていたファインダーのレンズは、取り外して清掃しましたが、このようにクリアになりました。
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接眼部にはK40がねじ込まれたまま、固着していました。このK40は、真鍮製のずっしりとした一品です。これを、ウォーターリングプライヤーを2個使って外してみると、この接眼鏡は接眼面に樹状のカビが少しありましたが、アルコールの清掃で除去できて、くもりもなく十分実用になる状態でした。
五藤のねじ込み規格は、一般的な36.4mmではないので、CATさんからT2-36.4mmリングを購入し換装しました。付属のK40は、36.4mm接眼部に2/3回転くらいはねじ込めるので、とりあえずは使用できます。
接眼部のラックピニオンギアが固着して、すごく重いので、分解してパーツクリーナーで古いグリスを除去し、新しいグリス(ミザール赤道儀用)を塗布し、スムーズに繰り出しできるようになりました。
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対物レンズの光軸を合わせ、
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ビクセン製100㎜鏡筒バンド(ポルタ用)の内側に、100均で買った、2mm厚コルク板を張り付けて内径を調節、ビクセン規格のアリ型に固定して、レストア終了しました。
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自作天頂ミラーの光軸調整 [天頂ミラー]

望遠鏡本体の光軸をいくら正確に合わせても、天頂ミラーやプリズムをつけると、少なからずずれてしまうのが現実です。像面が平たんでコマも少ない長焦点の屈折望遠鏡ならあまり気にしなくてよいのかもしれません。しかし、光軸修正スコープで、あからさまに光軸ずれが見えてしまうと、気分がわるいものです。
その対策として、古い36.4mm天頂プリズムから劣化したプリズムを取り出し、その筐体に28mmのニュートン用斜鏡を入れた天頂ミラーを作って、屈折望遠鏡用に使用しています。もともとは廃物利用でしたが、光軸マニア(*^^*)になってからは第一線の屈折望遠鏡用天頂ミラーになりました。ねじ込みにこだわるのは、光軸の再現性が良いからで、天頂ミラーにしたのは、ミラーを張り付けた底板の角度をある程度調整できるからです。左から、天頂プリズム筐体、ミラー貼り付けの底板、底板とミラーの間に入れているコルク板、平面鏡です。周囲には、植毛紙を張り付けて組み立てます。
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十分に光軸のあった望遠鏡本体に取り付け、光軸修正スコープで光軸を確認しながら、4か所の取り付けねじ近くにアルミテープのシムを入れて角度を調整しています。
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シュミカセでは、屈折望遠鏡よりも、像面が湾曲しコマが多いので、天頂ミラーの光軸は一層重要になります。
当方は、まずシュミカセ本体の光軸を人工星で合わせ、つぎに天頂ミラーを装着して天頂ミラーの光軸を確認しますが、天頂ミラーの光軸を十分に追い込むのは結構大変なので(底面のねじを緩めて、アルミテープなどのシムを少しずつ挿んで調整します)ある程度追い込んだら、天頂ミラー(プリズム)を装着した状態で、人工星の星像を確認して最終的な光軸修正としています。こうすれば天頂ミラーを回転させても光軸ずれを少なくできます。天頂ミラーは、光軸の再現性が良いシュミカセねじ用を使っています。

タカハシEM-1S赤道儀のレストア(その3) [タカハシEM-1S赤道儀]

最後にとりかかったのは、極軸望遠鏡です。
せっかくのタカハシなので、それなりのものを取り付けたい、ということで、手元にあった、古いミザールAR-1型の極軸望遠鏡を加工することにしました。この極軸望遠鏡は、立派なスケール入りですが、対物レンズは直径約1cmの単レンズで、決して見やすいものではありません。EM-1S赤道儀の極軸は、内径43mmほどと十分な太さがあるので、スペースを埋めるために、対物レンズを交換することにしました。ミザールの30mm 8×のファインダーの対物レンズは、極軸望遠鏡と焦点距離が同じなので交換してもスケールが変化することはありません(ビクセンの極軸望遠鏡と比較して確認しました)。余談ですが、対物レンズの焦点距離が細かく選べれば(対物レンズの焦点距離を適切な分長くできれば)古いスケールをアップデートできます。たとえば、1980年の離角は49′、2015年の離角は41′ですから、対物レンズの焦点距離を20パーセント長くしてやれば、35年前のスケールが現役復帰するわけですが、レンズの選択肢がないため、そう都合よくはいきません。
さて、3㎝ファインダーの後方に極軸望遠鏡の接眼部を塩ビ管で接続し、塩ビ管、アルミテープで隙間を埋めて挿入し、瞬間接着剤を少量流し込んで、固定しました。この極軸望遠鏡の接眼部は、3か所のイモネジで、スケールを移動させることができるので、軸出しをすることができます。製作過程の写真は撮り忘れてしまいました。
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これは、極軸望遠鏡の対物レンズです。口径30mmになっているのがわかるでしょうか。
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これで、半分ジャンクだったEM-1Sが復活しました。
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ビクセンの古い木製三脚を取り付けて10cm屈折を載せてみましたが、さすがにしっかりしています。


タカハシEM-1S赤道儀のレストア(その2) [タカハシEM-1S赤道儀]

次の作業は、赤緯軸の整備です。先人の足跡を探すと、ありがたいことにEM-1の分解整備の記事が見つかりました。
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まず、このナットを外す必要がありそうなので、17㎜ソケットを差し込めるように削って薄くすることにしました。ボール盤にソケットをくわえさせて、やすりを当て続けること小一時間、何とか差し込める直径に薄くできました。
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結論から言うと、この作業は不要でした(´_`)。このナットは、赤緯軸上端の黒い金具を赤緯軸に対して固定する補助をしているだけのようです。この個体の場合、マウントあり溝を取り付ける黒い金具と赤緯軸がしっかりと固定されていたので、この補助ナットを外しても何事も起こりませんでした。
部分微動部のパーツ(さすがタカハシ、ムービングピースのガタをとるための与圧機構など、カスタム経緯台とは違う精密な作りです)を取り外し、極軸望遠鏡の開口部からメガネレンチ(19mm)を差し込んで、赤緯軸下側のナットを緩めると、すべてのパーツが外れました。
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ボールベアリングが入った精密な構造です。
鏡筒側の軸受け
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ウェイト軸側の軸受け
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赤緯軸全体
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このボールベアリングのオイル切れで、ゴリゴリしていたようです。パーツクリーナーで清掃し、モリブデングリスを塗布して、組み立ててみると、滑らかな軽い回転が復活しました。



タカハシEM-1S赤道儀のレストア(その1) [タカハシEM-1S赤道儀]

タカハシEM-1S赤道儀をゲットしました。CATさんの現状販売品(コントローラーなし、極軸望遠鏡なし、三脚台座なし、ウェイト軸先端のリングなし、モーター通電は確認)、26800円でした。
届いた赤道儀は、大きな傷はなく比較的きれいで、赤経軸はスムーズに回りますが、赤緯軸にゴリゴリとした感触があり、気分よく使うには、分解清掃が必要なようです。
またEM-1SはEM-1と違って、コントローラーをつながないと、恒星時回転が始まらないので、コントローラーは必要不可欠な仕様でした(EM-1は電源をつなぐと恒星時回転開始)。ためしにEM-1のコントローラーをつなぐと、停止ボタンを押している間は恒星時回転、2倍速ボタンを押すと2倍速になりました。
そこで、まずコントローラーを作ることにしました。コントローラーは、3.5mmステレオミニプラグ接続なので、L、 R、 GNDの3本しか回路がありません。どうすれば、2倍速、恒星時、停止を二つのボタンでできるようにするかを考えてみました。その結果、on-(on)のオルタネートスイッチに恒星時駆動onと二倍速(on)を割り当て、押している間だけoffになるモメンタリースイッチをその上流に設置すればコントローラーが完成するのではないかと仮説を立てました└(^へ^)┘。電気的な知識経験の豊富な方には、考えるまでもない簡単なレベルの仮説ですが、当方にとっては、かなりの知的労働です。
共立エレショップさんにステレオミニプラグと二つのスイッチを発注し、その間にケースを探しにダイソーに出動(大袈裟ですが、出不精なので近所でも出動という気分なのです(*^^*)。
ダイソーで、テレビにつないで耳元でミニスピーカーを鳴らすという製品がありました。
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ステレオミニプラグだし、スピーカーの替りにスイッチを接続すればOK?と喜んで購入しましたが、分解するとスピーカーは2線しか使っていないので、このコードとプラグは使用できず、ケースだけ使うことにしました。
数日後、部品が届いたので、組み立ててみましたが、想定どおりに動作しました
\(*^▽^*)/。スイッチの大きさが不揃いですが、暗闇でも違いがわかると理由をつけて納得しました。
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三脚架台は、色が違うけれどもEM-1のものが手持ちにあり、三脚架台取り付けねじは、1/2インチのアイボルトとワッシャーで代用し、ウェイト軸末端の抜け止め金具としてM8ナットとワッシャーもホームセンターで買い出ししてきました。350円ほどでした。
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EM-1用の三脚架台は、方向調節ねじの当たる突起が微妙にEM-1S赤道儀本体に干渉するため、やすりで少々削る必要がありました。しかし、方位調整ねじの高さが、EM-1よりもEM-1Sのほうが高い部位にあるため、結局、もともとの固定金具の先端にM5ねじと四角ナットで作った延長部分をねじ込むことで、方位調整の起点金具としました。

C8の当たりはずれ(その4)調整したはずれC8実際の見え方 [シュミカセ]

はずれC8で、エアリーディスクのまわりを第1干渉環が均等に取り巻くように、人工星の星像を調整することが、わりと簡単にできるようになりました(慣れたのと、一度合わせてしまえば、ぶつけない限り微調整で済みますから)。人工星による光軸調整で懸念されるのは、ほとんど水平の向きで光軸を調整するため、鏡筒の向きによって光軸にずれが生じるのではないかということと、15mという近い合焦位置から実際に使用する無限遠までミラーを大きく動かすことで光軸がずれないかということです。天頂部の恒星を観察すると、このC8の場合、これらに起因する光軸ずれはほとんどないようです。ピント合わせの際に収束してゆく同心円に偏りがある(片側がけば立つ)のは気にいらないところですが、ピントが合った時のエアリーディスクは小さく、そのまわりのジフラクションリングも、気流に千々に乱されながらも、ほぼ均等に分布しています。実際の揺れ動く恒星の焦点像でここまで副鏡の調整をするのは、かなり困難だと思います。
また補正板の回転も試してみましたが、人工星の星像を見る限り、最初からの位置がベストなようで、この鏡筒では有効ではありませんでした。
このように調整した、はずれC8の実際の見え方ですが、かなりシャープになった印象です。安定して性能を維持できる見込みになったので、達成感がうれしくて、最近のベランダ観望は、このC8と相性の良いEM-1赤道儀の組み合わせばかり使っています。
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今シーズンの木星面も、一瞬の好シーイングの時にはかなり詳細に観察できます。コントラストは今一つで、バックグラウンドもやや明るいですが、よく見ると細かいところまで解像しています。今年は、大赤斑が縮小し、色もオレンジ色で、コントラストが悪いC8では見にくいのですが、気流が落ち着いた一瞬には、SEBの切れ込みのなかにその姿を見ることができました。
同焦点化したアイピース群の使い勝手も良好です。雑多な出自なので、それぞれ形が違いますが、暗いところでも見分けやすいという面もあります。ピントノブを少ししか回さなくて済むので、ミラーシフトもわずかです。
シュミカセ(F10)だと、PL6.4mmとPL10mmの使用頻度が高くなります。これよりも短い焦点距離が使える日には、なかなかめぐりあえません。

アイピースを同焦点化する [接眼鏡 アイピース]

はずれC8は、ピント合わせの際のミラーシフトが大きく(こういうところもはずれなわけですが)、400倍の視野から対象が飛び出してしまうほどです。対策としては、ミラーシフトを軽減するべく本体に手を加えるか、接眼部を外付けするか、ピント合わせをしないで済むようにするかのどれかだと思います。
ほかの鏡筒で使用することもあるので、焦点位置が異なる雑多な出自のベランダ用アイピース群の使い勝手改善のためにも、手軽にできそうなアイピースの同焦点化を考えました。焦点位置調節リングも発売されていますが、少々高価なので、当方のベランダ用ラインアップには豪華すぎる気がします。そこで使えそうなものはないかと探してみたところ、ありました。内径32mmのキーリングです。ヨドバシ.comで一個80円、注文翌日には到着しました。
これをアイピースのバレルにあてがってみたところかなりフィットします。実際に昼間の遠景をのぞきながら、リング位置を調整します。若干の誤差を埋めるためにアルミテープを巻き(だいたい一巻きで済みました)、さらにアルミテープとリングの間に瞬間接着剤を流し込んで固定しました。アイピース本体に接着剤がつかないように注意すれば、アイピース本体は無加工で済みますので、原状復帰も簡単です。
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焦点位置の違いがリングの厚み以下のものもありますが、この場合はアルミテープよりも強度のある、ステンレステープを細く切ってピントを確認しながらアイピースのバレルに巻き付け焦点位置の調整をしました。こうすることで大きなピント合わせをしなくて済むようになり、ミラーシフトがあまり気にならなくなりました。
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同様に、24.5㎜のラインアップ用にも内径25㎜のキーリングを使って同焦点化を試みましたが出来上がりは満足のゆくものでした。500円以内の投資と数十分間の作業ですが、アイピースの使い勝手が大きく改善しました。
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C8の当たりはずれ(その3)はずれC8を徹底調整する [シュミカセ]

オレンジ色のC8(はずれのC8)は、30年前、社会人になった記念に購入したもので、焦点内外像で光軸を合わせようとしても、焦点に収束させていくにつれて焦点内外像の同心円の片側がけば立ち、高倍率で見ると焦点像にコマがあるように見える鏡筒です。以前、天頂近くの恒星を辛抱強く観察し続けて、焦点像が最小となるように調整したところ、かなりの良像を示す潜在力はあることが分かったけれども、それは面倒なので、また使わなくなったという歴史があります。
この鏡筒の調整に必要な良いシーイングの夜はそうたびたび来るわけではないし、手間を考えると、焦点内外像が完全な同心円になって調整が容易なC8EXばかりを使うのは当然の帰結でした。
さて、5-star人工星の使用感が良いので、これを使って、はずれのC8を調整してみることにしました。距離は15mで、使用したのは、一番暗い人工星です。
まず、焦点内外像です。同心円のドーナツは、片側がけば立つように収束してゆくのは実際の星像と同じです。なかなかうまく写せませんが…(´_`)。
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さらにピントを合わせ、焦点像を400倍で見てみると、コマがあるように見えますが、これを細かく観察すると、ジフラクションリングをともなうエアリーディスクが認められ、周囲に散乱した光が一方に偏っていることがわかりました。そこで、この散乱した周囲の光芒がエアリーディスクの周囲に均等に分布するように副鏡を微調整すると、エアリーディスク、ジフラクションリング、その周囲の光芒という星像を示すようになりました。この調整はかなり微妙で、調節ねじの回転は30°もないくらいだと思いますが、実際の像を見ながらなので、それほどの困難はありません。この状態に調整してから焦点内外像を見てみると、焦点内外像は中心穴がやや偏ったドーナツでした。やはり主鏡がわずかに傾いているという推測が裏付けられました。
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はずれC8の星像を、あたりの十分に調整したC8EXと比較してみると、はずれC8は、若干エアリーディスクに変形があるように思いますが、かなり近似した星像です。実際の夜空では、ここまで見られる気流の安定した日はなかなかないので、実際の恒星でこのレベルの調整は困難だと思います。30年所有していても到達できなかった調整を可能にしてくれたこの人工星は、やはり使えるやつでした。補正板回転も試してみましたが、オリジナルの位置がベストで、この鏡筒では有用ではありませんでした。作業時間は、徹底調整といっている割には短時間で、セッティング時間も含めて30分程度でした。
以上のことから以下の結論に至りました。
結論1)焦点内外像の同心円では十分に光軸を合わせられないC8が存在する。
結論2)そのような鏡筒でも、焦点像を高倍率で観察することで十分に光軸を追い込める。
結論3)実際の夜空で十分に良いシーイング下の恒星像を得ることは困難なので、人工星は有用である。

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